スペインの国境駅まで延びた大西洋線
南東線に続いて、1989年9月にパリと南西部のトゥール、ル・マンを結ぶ大西洋線が開業しました。
こちらのターミナルは、パリでは唯一モダンな外観を誇るモンパルナス駅。
この大西洋線で最大の話題は、なんといってもテスト段階でスピード記録を次々と塗り変えたことでしょう。
まず、1989年12月5日に時速400kmを軽く超えて500kmに迫る482.4kmを樹立、次いで1990年5月9日には510.6kmに達しました。
それまで、鉄道で500kmを突破することはありえないといわれてきた"常識"がいとも簡単に覆えされたのです。
大西洋線は9日後の5月18日に51503kmを出したところで営業運転に入りましたが、この記録はまだもちろん破られてはいません。
最高時速300kmという営業運転のスピードは、こうしたプロセスを経て実現されたものです。
開業にあたっては、車両も一新され、シルバーメタリックにブルーのカラーリングを施した車両がデビュー。
南東線に比べ、スピード感が一層強調されたものになっています。
車両についてもう一つの新機軸は、編成が2両増えて12両になったこと。
両端が動力車である点は同じなのですが、客車は2等車が6両に増え、バー・カーも独立して計10両という構成になりました。
しかも、1等車のうち中間の2両には、部分的ながらオープンサロンとコンパートメントをミックスさせたセミ・コンパートメントタイプも登場、第二世代にふさわしいアコモデーションを整えました。
もはや、機能性とスピードだけでは通用しない時代に入ったことを先取りしたわけですね。
大西洋線の高速線は、ロワールの古城めぐりの拠点であるトゥール、カー・レースで有名なル・マンまでですが、トゥールから在来線に入ってボルドーへと至り、さらにはスペインの国境駅イルンにまですでに足を延ばしています。