変化する林業 8
財界の森林・林業に対するこの長期戦略は、相前後して樹立された「新全国総合開発計画」とこれに関わる諸施策と密接にかかわりつつ、現段階の林政の基調を形成していきました。
しかし、73年以降の「低成長」への移行は、
(1)住宅建設の大幅減少による木材需要の滅少
(2)資源ナショナリズムの強化による外材輸入の困難化
この「基本法」林政の"枠組み"を構成していた基本的要件を動揺させました。
このことに加え、災害や緑不足、また、松くい虫などの薬剤散布などにつらなる自然保護運動、住宅要求を背景とする材価乱高下などに対する国民の不安の高まりを背景に、大きな社会的、政治的問題になるに至って、一定の手直し政策が打ち出されています。
つまり、60年代の国有林で大規模に行われた天然林の大面積皆伐に対する批判には、73年に1団地5㌶をこえる皆伐を禁止する「新たな森林施業」の方針の樹立。
74年には森林法を改正して、水系別森林計画制度を確立し、市街化区域内の森林を地域森林計画の対象からはずして効果を大きく減殺されたとはいえ、乱開発防止のための知事による森林開発許可制こが森禁改正によって法定されました。
また、有効性については多大な疑問があるとされるものの木材価格の高騰を押えるために、74年に財団法人日本木材備蓄機構が創設され、77年には間伐材価格を調整する「間伐安定流通促進事業」が着手されました。
さらに、きわめて不十分なものに止っていますが、造林のみの補助体系から植林後の下刈、除伐、間伐などの保育作業にも助成する「森林総合整備事業」が79年度に発足しています。
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